15歳の頃に~アキオシロートマグル編〜
※「盗んだバイクで走り出す 行く先も 解らぬまま 暗い夜の 帳りの中へ
誰にも 縛られたくないと 逃げ込んだ この夜に
自由になれた気がした 15の夜」
ではない
(この方、世代です)
僕の番ですか。そうですか、暗い話しかないのですが・・・あ、音楽の話?そうですか。
・・・・15歳の頃は音楽の沼に足を踏み入れはじめた最初の頃で聞く音楽が偏っていました。アニソンを聴きはじめる前の僕は本当に音楽の話なんて人としたことがなかった・・・そんなわけでくらえ!なんか悲しくなってきりあげたとかそんなんじゃない。違うからな。
もくじ
- 坂本真綾「少年アリス」
- 黒夢「Drug TReatment」
- BUCK-TICK「Six/Nine」
- LUNA SEA「MOTHER」
1. 坂本真綾「30minutes night flight」(2007)
- 30minutes night flight
- ドリーミング
- 記憶-there's no end
- 僕たちが恋をする理由
- セツナ
- ユニバース
- 30minutes night flight〜sound of a new day
このアルバムは坂本真綾が出したコンセプトアルバムとして2枚目の作品で、キャッチコピーは「眠れない夜を過ごしたことがある、すべての人へ。30分間の夜間飛行」。
「このキャッチコピーが素敵よね、詩的で・・・!」とか聴きまくってた齢15当時も思ってたりするし、今も思っていたりする。
始まりは小学校5年の頃、アニメのEDを歌ってたことで知ったのだが、僕は純粋に彼女の言葉の使い方が気に入って好きになった(声優であることを高校生まで知らなかった)。
彼女の基本的なジャンルはJ-POPである。しかし菅野よう子プロデュースを長年受けていた影響なのか、言葉にも菅野プロデュースをやめた以降の楽曲にも端々にカテゴライズ出来ないような独自性が現れている。特に幻想的で哲学的、そして文学的な美意識が見え隠れしているのが特徴である。僕の言葉や言葉による日常の切り取り方はこの方に多大な影響を受けている。
今作は最後の曲のアウトロが最初に繋がる構成を録っているのだが、聞き所は何と言っても彼女の作詞した表題曲「30minutes night flight」の始まりの一節
「そっと黙ってついてきて 銀色夜空へ 最初で最後の約束 あなたと交わした」
この部分がいつ聞いても何処かに憂いと優しさを感じて得も言われぬ気持ちになる。
2 .黒夢「Drug TReatment」(1997)
- MIND BREAKER
- DRUG PEOPLE
- DRIVE
- C.Y.HEAD
- CAN'T SEE YARD
- DISTRACTION
- Spray -NEW TAKE-
- LET'S DANCE
- BLOODY VALENTINE
- DEAR BLUE
- NITE&DAY ~NEW TAKE~
- NEEDLESS
- Like @ Angel ~NEW TAKE~
- BAD SPEED PLAY
LUNA SEAやGLAYと並んで語られるヴィジュアル系バンド「黒夢」5枚目のメジャーアルバム。1994年にヴィジュアル系としてデビューしたのにも関わらず、どんどん音楽性が変化していき、この時期は完全にパンク・バンドだった。
僕の15歳というと表面上こそおとなしいものの内面は中々に鬱屈としていた。そんな中でその焦燥感を代弁するかのような作品であったのがこの1枚である。
「MIND BREAKER」から始まるミディアムテンポのラウドなナンバーから畳み掛けるようなアップテンポかつ歌詞カードに載らないほどの過激な言葉の並ぶナンバー、そして彼らの代表曲「Like @ Angel」から最後の曲へとなだれ込むような構成、いつ聞いてもヴィジュアル系とは何なのだろうと思う。
そんな中にアコースティックな「NITE&DAY」は浮くどころか描写される渇ききった世界と孤独感は絶妙にマッチしているように思う。
今作で好きな歌詞は
「数えられる程 僅かなコイン 握って 自由の街へ 向かう列車に 飛び乗ってた
僕を押しつけて 離そうともしない 昔話好きな 大人から逃げたくて」(NEEDLESS)
「初期衝動に 魅せられて 走り出した 僕の感性 いつまでも 閉じたくない」(Like @ Angel~NEW TAKE~)
この2曲を聞くと、焦燥感だけが常に募って、しかし感性は瑞々しかった15歳の頃の自分を思い出させてくれる。
「1997.10.31 LIVE AT 新宿LOFT」の映像だが、いつ見ても格好いい。それしか言えない。
NEEDLESS/黒夢
Like @ Angel/黒夢
いつ見てもこれこそロックスターという格好良さでとても憧れる。ちなみにDAIGOが彼らのファンであることを先日の某番組で知りました。
3. BUCK-TICK「Six/Nine」(1995)
- Loop
- love letter
- 君のヴァニラ
- 鼓動
- 限りなく鼠
- 楽園(祈り 希い)
- 細い線
- Somewhere Nowhere
- 相変らずの「アレ」のカタマリがのさばる反吐の底の吹き溜まり
- デタラメ野郎
- 密室
- Kick(大地を蹴る男)
- 愛しのロック・スター
- 唄
- 見えない物を見ようとする誤解 全て誤解だ
- Loop MARK II
BUCK-TICKが1995年にリリースした8枚目のスタジオ・アルバム。そしてバンド史上最長でかつもっとも重い作品。さらにバンド史上製作がもっとも難航した作品で、リズム取りやトラックダウンなどを別々のスタジオで行っている。
黒夢のときも言ったのだが、僕の15歳というのは本当に鬱屈としていた。
そんな中、僕に光をもたらしたのがBUCK-TICKのこの1枚である。
ネガティブさを全面に出した自己表現と深みというのは当時の僕には非常に衝撃で、これを聞いて以降自分の資質をどう活かすのかを考えるようになった節がある。
音楽的にはかなり多岐にわたっており、アンビエントなトラックが流れる中でのポエトリーリーディングやラップ、ハードなリフと重苦しいリズムのオルタナティブ・ロック、はてには宗教音楽という博覧会の如き様相。
しかし、その幅広さもBUCK-TICKにかかると統一された世界観に収まるのだからやはりこのバンドは凄いなと今聞いても思う。往年のファンが最高傑作に推すのも納得の作品だ。
日本ロック史の名盤と言ってもいいと思う。
今作で僕が気に入ってる歌詞は
「星と繋がり呼びかけてる 解き放て全てから そこは 呼吸 鼓動 響く 血まみれの愛の中 さあ道化師 躍れ躍れそれが運命(さだめ) 光る地獄で泣きながら 道化師 歌え歌えこれが運命(さだめ) 闇の真実に帰るんだ」(Kick(大地を蹴る男))
「愛の国ここは楽園 愛し合い慰め合う よく似た顔が笑い合う 銃声に不治の病 愛し合い傷つけ合う それ以上何を求めてる」(楽園(祈り 希い))
言葉のインパクトもそうだが、徹底した闇の世界とも言えるような歌詞と表現力は圧巻。
人は選ぶがとてつもなくいい作品である。
ちなみに今もこのバンド現役で、今年でデビュー30周年。格好いいままなので聞いてほしい。
このライブ映像は1995年のものではないのだが、いつ聞いても色あせないのが彼らの楽曲なのだ、やはり凄い。
Devil and Freud(2004) - Kick(大地を蹴る男)
Devil and Freud(2004) -楽園
※ちなみにこのアルバム、初回版はこの楽園にイスラム教の聖典「コーラン」の逆再生を無断でサンプリングしていたため関係団体から抗議を受け回収騒ぎになっている。
後日該当箇所の差し替えを行い再発したのだが初回が紫、再発が赤、とジャケットの色が違うのですぐわかる。
4. LUNA SEA「MOTHER」(1994)
- LOVELESS
- ROSIER
- FACE TO FACE
- CIVILIZE
- GENESIS OF MIND ~夢の彼方へ~
- AURORA
- IN FUTURE
- FAKE
- TRUE BLUE
- MOTHER
ヴィジュアル系にもヴィジュアル系以外にも多大な影響をもたらしたLUNA SEAが1994年にリリースした4枚目のオリジナル・アルバム。そして僕の全てを変えた作品。
一見この手のジャンルと無関係な君の好きなバンドにも、きっかけがLUNA SEAとかそういう人、居るぞ。嘘言ってないから探してみてくれ(そしてなぜかスピッツの草野マサムネはLUNA SEAを気に入っている。まあルーツだけ見れば親戚みたいなもんだし)。
この作品を初めて、というかLUNA SEAを中学2年ではじめて聴いたときの衝撃は今でも忘れらない。当然15歳の頃は每日のように繰り返して聴いてた。
今まで聞いたことのないソリッドなロック、ツインギターが織りなすキメの多いフレーズ、疾走するリズム隊。
各パートの「俺が一番かっこいい」といわんばかりの自己主張にも関わらず一体感のあるアンサンブル。
何より格好いいメンバーがとてつもなく格好いい音楽をやってるという衝撃。
今まで聞いてなかったということ、知らなかったことを後悔したバンドはLUNA SEAとBUCK-TICKだけである。
LUNA SEAの音楽から様々なジャンルを知り、音楽観、人生観、生き様・・・BUCK-TICKと並び、自分の根本の全てを形成したバンドであるため、結論から言うと僕にとって神に等しい。
アルバムとしてみてみると、問答無用で日本ロック史、それどころか世界的に見ても類稀なクオリティの傑作である。
曲の配置やアルバムジャケットの美しさはさることながら、ヴィジュアル系の雛形となる神秘的な世界観、クリーンと歪みの画期的なツインギターの対比、そこに乗るうねるベースと疾走感のあるドラム。
それはまさに突然変異的に現れたもので、海外ですらまだなし得なかったバンドのアンサンブルである。
そしてこれを作った当時の彼らの年齢は24歳~25歳なのが今でも信じられない。
基本的に異論は認めるタイプである。しかし合う合わないはあるにしても、ことこの作品においては評価しないやつは間違っているというほどのスタンスである。それほどまでに強い思い入れを持った作品である。
ちなみに今作を書いてる間いろいろ考えたが、歌詞とかそういう次元ではないので好きな歌詞は決められなかった。
(てかコレ駄目だったらLUNA SEA合わないです)
このバンドには「STYLE」というもうひとつの傑作もあるのだが、それはこちらの記事で。
これも僕が書きました。ちなみに一度解散したLUNA SEA、現在は再結成していて12月には再結成後2枚目となるニューアルバム「LUV」(読み方はLOVEと同じ)が出るので楽しみにしている。
LUNA SEA - ROSIER PV
人生で一番最初に見たLUNA SEAの映像。今見ても隙のない格好良さ。洗練された楽曲。僕の音楽好きはここから始まった。
LUNA SEA - TRUE BLUE PV
ギターワークが非常に計算されていて、一見ただのカッティングに思えるような部分が実はツインギターだったりする。ソリッドで単純に格好いいので注目されないがバックではうっすらノイズがかっている。格好いい。
LUNA SEA - MOTHER PV
バンド史上屈指のバラード。12弦ギターの美しい響きと後半から出てくるバイオリンの畳み掛けが神秘さと壮大さを醸し出している。歌詞は母性と救いがテーマなのが実に彼ららしい。アイルランドで撮ったというPVの映像美にも注目して欲しい作品。
15歳かあ、とか色々考えて改めて好きな作品を聞き直したら完全に愛が爆発してひたすらに重くなってしまった今回の記事。反省はしているが後悔はしていない。気持ちが当時に戻った。
僕の書いたものでも自分のものでもいいので、音楽好きのみんなは自分だけの名盤を探して欲しい。人生に彩りをもたらします。
最後にここまで読んでいただいた方々に感謝いたします。
(文:アキオシロートマグル)
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