私的秋冬コレクション~アキオシロートマグル編~
どーも、アキオシロートマグルです。書きかけのものがかなり大量にあるのに今回はいわゆる企画モノってやつに参加してます、企画モノって響きが卑猥ですね。
あと、なんか秋冬コレクションとか言うとプレタポルテとかファッション系のコレクションぽいよね。
まあ早々に本題に入りますよ。まず読んでもらわないと。
もくじ
- 浜崎容子「Blue Forest」
- 坂本真綾「Driving in the silence」
- 清春「MOMENT」
- Zi:Kill「IN THE HOLE」
1. 浜崎容子「Blue Forest」(2016)
- 硝子のベッド
- 雨音はショパンの調べ(小林麻美のカバー)
- ANGEL SUFFOCATION
- 誰より好きなのに(古内東子のカバー)
- Forever Us
- ねぇ
- Lost Blue
「トラウマテクノポップ」を掲げ活動するポップロックバンド、アーバンギャルドのフロントマンである浜崎容子。そんな彼女の2作目のソロアルバムは、昭和歌謡なメロディにテクノポップというどこか懐かしさの漂う作品だった。
このアルバムは特にコンセプチュアルなものではないのだが、その独特の懐かしさとさびしさの漂う雰囲気は、冬の持つ孤独感とどこか漂う懐かしい郷愁と絶妙にリンクしてると感じてるので、寒い季節が近づくと聴く頻度が上がる。
アーバンギャルドでは見られない彼女を見たい方、ウィスパーボイスが好きな方はぜひ。
浜崎容子 - ANGEL SUFFOCATION
2. 坂本真綾「Driving in the silence」(2011)
- Driving in the silence
- Sayonara Santa
- Melt the snow in me
- homemade christmas
- 今年いちばん
- たとえばリンゴが手に落ちるように
- 極夜
- 誓い
- Driving in the silence -reprise-
今作は冬をテーマにしたコンセプトアルバム。冬、そう一口に言っても様々で、大人、子供、家族、恋人、死・・など様々な角度から描写されており、楽曲ごとに演じ分ける彼女の表現力を見ることが出来る。
特に7、8では死や別れを暗示させるようなフレーズが盛り込まれているとともに決意も見られ、冬の厳しさから春の芽吹きのようなものまでをうまくパッケージングしていると思う。
個人的なおすすめは「Melt the snow in me」。スウェーデンのミュージシャン、ラスマス・フェイバーと坂本真綾がタッグを組んだ作品で、冬の孤独感とふれあいの暖かさを一曲に感じることができる。それも坂本真綾の透明感のある歌唱があってこそなのだが。
このアルバム、いいぞ。
「Driving in the silece」 Music Clip
3. 清春「MOMENT」(2016)
- ナザリー
- 夢心地メロディー
- EDEN
- DIARY
- ロラ
- 瑠璃色
- FUGITIVE
- MELLOW
- MOMENT
- QUIET LIFE
- 海岸線
- メゾピアノ
- 麗しき日々よ
90年代、その反骨的な姿勢でロックキッズをとりこにしたバンド「黒夢」のボーカルだった清春(きよはる)。そんな彼もソロをはじめると歌詞が抽象的かつ大人びた達観したものに変わった。
そうやって歳を重ねてきた清春が昨年発売した今作は、いままでの作品にも増してソロであることを意識させ、彼も死を意識するような年齢になったのだということを如実に感じさせる作品になった。
この作品が発売されたのは春なのだが、全体的にアップテンポの曲が少ないこと(前編がほぼミドルテンポの曲ばかり)、どこかに寂しさと枯れた味わいを感じさせる作風がどちらかというと冬の匂いを感じるものになっているのだ。
冬というのは静寂を1番強く感じることの出来る季節であり、そこに生き物の匂いはしない。その独特の味わいを感じることの出来る一枚だと思っている。
一番好きな曲は夢心地メロディー。ミドルテンポのなかに清春の艶っぽい歌声と哀愁を感じる歌詞がマッチして、聴くと少し切なくなる。
清春 「夢心地メロディー」
4. Zi:Kill「IN THE HOLE」(1992)
(ピンぼけして無い大きい写真がなかった・・・)
- IN THE HOLE
- 華麗
- TOUCH ME
- kiss me good-bye
- SLOW DOWN
- AC/DC
- CRACK EYE
- NO MORE TO SAY
- HEAVY DAMAGE
- Mr. Market
- Miss You
このバンドには少し説明が必要だろう。
日本のV系ロックシーンの創成期から全盛期の少し前まで活動した、まあGLAYとかLUNA SEAの先輩にあたるバンドであるZi:Kill(ジキル)。
(左からドラムのEBY、ベースのSEIICHI、ボーカルのTUSK,ギターのKEN)
1987年結成、1991年メジャーデビュー、二度の武道館公演を行うも1994年に解散。
バンドの音楽性はヘヴィメタルとポジパンとビートロックの融合といえなくもないのだが、オーソドックスだが格好良いベースを奏でるSEIICHI、TUSKの多彩な声の歌い分けと表現力、泥臭い歌詞。KENのギタープレイのセンスで他にはあまりカテゴライズしようのない音楽を奏でていて、古さを感じない。ドラマーはなかなか固定せず過去には後にラルクのドラマーとなったyukihiro、D'ERLANGERのTETSUもメンバーだった。
ちなみにインディーズのころはX JAPANのYOSHIKI主催のエクスタシーレーベルからリリースしたこともあり、彼らは直属の先輩である。ちなみにスカウトしたのは今は亡きhideであり、ファンクラブにも入っておりライブを頻繁に行くなど、如何に彼らが評価を受けていたのかをうかがい知ることが出来る。つまりZi:KillはLUNA SEAやGLAYにとっても直属の先輩である。
そんな彼らが1992年にリリースこの作品は、男としての強さと弱さ、孤独感と充足、いろいろなものがにじみ出た作品になった。
実はこのバンドはメジャーデビューした時の事務所とのトラブルを乗り越えて、復活の狼煙をあげるという出来事があった。そのきっかけとなった作品が今作である。
冬という季節は時折人を否応なしに孤独にすると思っている。それはもちろん日照時間が少なくなるからという医学上の理由もあるのだが、それだけではないのだろう。
夏とは違う、生き物の匂いが一切しない静寂、そして澄み渡る空気。それはときに心情としての寂しさを想起させる。そんなときに明るい曲を聞きたいのか?僕の答えはNOである。
落ち込んだときは励ましソングよりも「堕ちたヤツにしかわからない心境」を歌っているのが格好いいしソッチのほうがよほど響くのだ。だからこそ、冬が近づくに連れて気分が落ち込むとこのアルバムを聴く頻度は上がる。孤独、寂しさ、怒り、少しの自己肯定…全てがこのアルバムには詰まっている。
特に好きなのは「SLOW DOWN」。
「美しくもない華やかさ 飾られて作る清らかさ
生きのびる欲だけ大切にしてく物など 俺には無価値なものに見える」
この歌詞が特に感傷的になりがちな冬には響く。
こちらはライブ版だがV系らしくないストレートな歌詞と男らしい歌い方がどこまでも尊く、胸を打つ。
ZI:KILL - SLOW DOWN (acoustic live ver.)
どこか私小説的な側面のある記事ですが、どれもこれもいいものを選んだと思ってるので冬が寂しいとかそんなことを思う人は是非聞いてみてください。
(文:アキオシロートマグル)
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