D'ERLANGERに見るロックバンドの魅力

D'ERLANGERについて

 いきなり本題ですが、D'ERLANGER(デランジェ)は1983年から1990年にかけて活動、2007年に再結成したロックバンドである。

    ヴィジュアル系の中では神様的な扱いされてるバンドの1つ。


ぶっちゃけこのバンドに関して言いたいことはこれなんで終わりなんです!


いくらなんでもそれじゃつまんないので、アー写をだね・・

(スタジオ感すごいとか言わない)

メンバー

Vocal:Kyo(金髪の人)

Guitar:CIPHER(読み方はサイファ、右端でぽつんと座っている人)

Bass:SEELA(右から2番目のちゃんとソファー座ってない人)

Drum:TETSU(左端の人)


 とりあえずメンバーの解散から再結成までの個々の活動遍歴とか逸話とか実はX JAPANやBUCK-TICKと並ぶヴィジュアル系の始まりのバンドの1つだったりするってのは置いといて、端的に魅力を語ろう。


魅力

D'ERLANGERの魅力をメンバー別に語ることにしよう。

Kyo

まずボーカルから。

 もともとハノイ・ロックスやデヴィッド・シルヴィアンとかミック・カーンで有名なイギリスのロックバンド、JAPANが好きだったと伺っている。

 個人的に日本で一番金髪が似合うボーカリストだと思っているんだが、デビュー当時はこんなんだった。

 まあこの時もかっこよくてフロントマンとしてのオーラとハスキーな声質は半端なかったんだが・・・歌がお世辞にもうまいどころかカッコつけてるだけで歌がくっそ下手だったのね。


それが今じゃ

このオーラよ。しかもキーが低くなったことで迫力も艶も出たし、歌もシャウトもめちゃめちゃうまくなってて惚れそう!抱いて!って感じになるね。

暗闇が飲み干した 天使と悪魔が背中で微笑んだ
甘く潤んだ瞳 奥底まで覗く
」(Masquerade)

まあこんな歌詞もこの人が歌うとめちゃめちゃかっこいいのよ、普通に歌うと事故だけどね・・・


CIPHER

後続ギタリストのフォロワーが多い」っていうのがこの人の特徴な。

その中でも特に有名なのがこんな感じなのね。

INORAN(LUNA SEA)

・ギターを低く構えて前傾姿勢で弾く姿すっごい似てる、D'ERLANGERの活動初期からのファンらしい


Die(DIR EN GREY)

・ギターの構え方は勿論、瀧川一郎のギターのモチーフの蛇柄のタトゥーまで入れて足をモニターにかけて前傾姿勢とかほぼ完コピ。というかもう本人のコピー。


TAKUYA(ex.JUDY AND MARY)

・テレキャスターをよく使っていたけどもともとは瀧川一郎モデルなんだよ

(他にもMUCCとかROUAGEとかcali≠gariとか色んなバンドにフォロワーがいるんだけどね)


じゃあそこまで影響を与えるCIPHERのギタースタイルって一体なんだって言うと次の文。

  1. ストラップをそのまま用をたせるくらいに極限まで長くする
  2. かきむしるようにギターを弾く、ソロはほぼ弾かない
  3. 技術より華(ヘタクソかっこいいだけです、かっこいいんです)
  4. モニターに足をかける(弾きにくいのを誤魔化しているわけではないからな、違うからな)

まあこんな感じなんですよ。

かっこよけりゃ腕なんて関係ないんじゃ!

ただ、この人に影響を受けると大体うまくはならないんだよな・・・

カッコイイから良いんだけどさ(笑)


SEELA

 プレイ自体はオーソドックスなんだが1弦から4弦までまんべんなく使うのが特徴でな、ピック弾きにしてはあんまりガシガシ弾かないのね。それこそ大蛇が這いずり回るみたいなベース。

    ただなあ、正直音源だとあんま聞こえんのよ、なぜかは次でわかる。


TETSU

 はい来ました。ドラム。語りたいことがいっぱいある人なんだが、まずうるさい。生音がそもそもデカイんだわ。

(左側のドラムを叩いてる人がTETSU、右側のドラムを叩いてる人がMERRYのドラマーのネロ)


 パワフルとはちょっと違う、鳴らし方を知ってる感じのヌケのいい音が凄いデカく響くからとにかく印象が強い。特に他人のドラムセット叩いてもこれができるんだから、機材に寄らない独自のノウハウがあるってことだね。

 音源だとドラムとギターの印象が強すぎてベースとか聞こえないことあるくらいだし、ライブだと尚更。

その上に手数が多い。だからとにかく音源でもライブでもドラムの音の印象が強すぎてほかが霞んでしまうのよ(笑)

 そしてこの人クリック(音楽演奏時、テンポを維持するために鳴らされる音)を聞かないでドラムするのも特徴で、そこに手癖やらハイタムの回し方とかアタックの強い叩き方とか加えると、本当にうるさい。

 なので機械的にリズムを刻むというよりも、野性的でバンドアンサンブルに揺さぶりをかけてくるんです。わざとテンポ上げたりするしな・・・

自分が知ってる中でも際立ってド派手なドラムを叩く人はこの人だな。


なんで色褪せないの?

 このバンドの音楽性って説明に困るのね実は。

    CIPHERもTETSUもヘヴィメタルバンド「44MAGNUM」の弟子なんだが、弟子であるこの二人のやっていることがヘヴィメタルとはちょっと違う。

  • CIPHERヘヴィメタル的な音使いでニューウェーブっぽいフレーズを弾くし、グランジっぽくも弾くし、パンクっぽくも弾く。
  • TETSUヘヴィメタル由来ではあるんだがそのわりに音があまり重くなくてハードコア・パンクっぽいドラミングもある。マーチングだって叩く。
  • SEELAメロディに絡みつくようなおどろおどろしいベースライン
  • Kyo淫靡でデカダンな雰囲気、シャウトを多用したキーの低い歌声

    これらが組み合わさると非常に不思議なパンクでもないしヘヴィメタルでもグランジでもないD'ERLANGER節」が生まれるんだな。

 この「D'ERLANGER節」がやたらダークでアダルトで、世界観が少し難解だけど、音楽はシンプルにカッコイイから聞きやすさがある。加えると今年でメジャーデビューして29年になるが全く世界観が変わっていない。さらに、流行や時代をガッツリ取り入れなかった。これが大きい。

 流行や時代を取り入れるとその時は新鮮だが時が経つと色褪せることが多いわけ(その限りじゃないバンドもいるよ)。それはどうしても仕方ない。時代感も含めてパッケージングされちゃうからね。

 このバンドにはそれが起こらないし(そもそもそこまで器用で勤勉なバンドじゃない・・・)、だからといって特定の音楽ジャンルにカテゴライズできる音楽性を奏でてはいないのが色褪せない部分では非常に大きいウエイトを占めてる。

 あとは昔やっていたことに今になって年齢が追いついてきてるってのがデカイわけ。90年当時はもうただのカッコつけだった(特にボーカル)のに、今見てるとほんとにかっこよくて似合っててギラついてて、「これだよ!これ!僕がロックに求めてる妖しさ!これ!」って聞くたびにワクワクするし憧れる。

 再結成からずっと追いかけてて今も時折ライブに行くけど、なんかとてもイケナイ世界を見てる気分になるのね、もうそれがたまらなくてたまらなくて・・・でとにかくカッコイイ。

 いきなりダークで淫靡な世界をなんの遠慮もなくドンと見せつけられるとココらへんの年代のバンドの底力を感じるよね。僕にとってロックは憧れなんだなってことをまざまざと見せつけてくる。


    最後にこのバンドの曲を何個か貼る、気が向いたら聞いてね☆


・「バライロノセカイ-Le monde de la rose-」(MUSIC VIDEO)

 PVがちょっとあれだけど曲はかっこいいんだ。それにしてもドラムうるさい(笑)

    この手のちょっとエロティックでギラギラした世界観が根本にあると思ってほしい。



・「CRAZY4YOU」(MUSIC VIDEO) 

 こういうキラキラしたストレートなちょっと昔の匂いがするロックは彼らにしては珍しいんだが、見事にハマっている。CIPHERのテレキャスがカッコイイがPVがちょっとダサい(笑)


・「Beast in Me」

 ギラついた色気満点の艶っぽいボーカル、全ての弦をまんべんなく使い絡みつくベース、まくし立てる戦車のようなドラム、あとザクザクしたギター。これぞD'ERLANGERです。

    僕がヴィジュアル系に持ってるイメージってこういうダークさなんですよ。(ココらへんが外部から見るとだいぶ違う印象を持たれてるんだよな)



・「LA VIE EN ROSE」(2007 live)

 日比谷野音のライブ映像だが現地で見た僕は・・・かっこよすぎて失禁しそうだった

この圧倒的なダークさとギラギラしながらも備わった貫禄が今の彼らの魅力よね



そして動画のラストはこれ!

・「MOON AND THE MEMORIES」(2007 live)

 これも現地で見たんだけど、見たときに今までのメンバーの活動はD'ERLANGERのためにあったんだってくらいにかっこよくて・・・自分がなんでこのバンド好きになったのかとか見てると凄い思い出すね。

圧倒的に今がかっこいいバンドになった、本当に。




    ・・・・最後に、この記事を書くきっかけを与えてくれた僕の彼女にこの場を借りてお礼申し上げます。

 実はこの記事ができる前にこの手の音楽を好む先輩として彼女にいくつかのプロトタイプを見せたらボロクソに言われて、それで思い切った方向転換をしたんで・・ほんと・・・


ほんときつかったっす・・・お手柔らかなんて無かったんや・・・


次はもうちょっと真面目に書きますね(笑)



(文:アキオ シロートマグル)


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