浅草六区で大暴れ!魔性のアンダーグラウンド・トリックスター「LIZARD」
日本国内最古のインディームーブメント「東京ロッカーズ」の主犯格リザード。79年の当時パンクムーブメントで沸いていたロンドンにてストラングースのジャン・ジャック・バーネルのプロデュースの元で制作されたのがバンド名を冠した1stの本作である。
グラムロックと歌謡曲のキッチュで毒々しい魅力を粋に羽織り、パンクで風穴を空けてニューウェーブの浮遊感で通り抜けたような刺激的でポップなサウンドは中毒性が高く、一度ハマるとクセになること間違いなしだ。
本作もそんなバンドの魅力がチープな原色のスパークさせながら聴き手をクラクラとよろめかせる電撃盤となっている。
バンドの世界観を詞曲両面から表した冒頭の「NEW KIDS IN THE CITY」、「ひい・ふう・みい」という掛け声がなんともツボを押さえる「PLASTIC DREAM」、80年代に向かう時代にTVがメディア媒体と娯楽としての暴力性と狂気の牙を剥き始めた事への警告歌「T.V. MAGIC」、どの曲も一筋縄では行かないリザード特有の魅力に溢れている。
当時の同士であったニューウェーブ勢のP-MODELやヒカシューと比べると音楽的な先鋭の保持とは裏腹に革新集団としての意識があるんだか無いんだかよく分からない掴み所の無いキャラクターが災いしてか他の二人のバンドと比べると、後世に知られていない気もするのは実に残念(そんなキャラクターがこのバンドの愛しいところでもあるが…)でもあるが、それでもバンドの遺伝子は脈動と受け継がれている。
BUCK-TICKやイエローモンキー、毛皮のマリーズ辺りはグラムロックと歌謡曲の魅惑的邂逅をジュリーとリザードを表裏一体に見ていたのではなかろうか。
時空を超越した「共鳴性」であれば、新たなジャポニズムを提示し続ける椎名林檎や、キッチュでポップな毒々しさをとことん遊んでしまうきゃりーぱみゅぱみゅもそうだろう。音楽的な点ではモモヨのプロデュースでデビューしたゼルダに通ずる相対性理論を引き合いにしても面白い。
近年の混沌極める日本の音楽シーンではあるが、その隅隅にリザードの影を様々な形で見ることができる。それはリザードが実に日本的なバンドだったからに他ならない。故に影響と共鳴力が一人歩きしているのだ。
テクノポリス・トーキョーは下町の浅草アンダーグラウンドをトリックスターの魔性を纏いて光線銃を片手に所狭しと大暴れ!サイバー仕掛けの月光仮面、その名もリザード!此処に在り!
(文:Dammit)
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