僕はモリッシー(になりたかった)
「お好きなバンドは何ですか?」
この手の質問を他人からされたことはまぁ、さほど多くはない(そもそも人と関わることがないコミュ障だからだ!)。
ただ、相手がそこまで音楽やサブカルラヴァーでない限りはビートルズと返答するようにしている。それが僕の中での無難な回答の落としどころだと(勝手に)感じているからだ。
ただし、相手がオタク野郎やサブカルねーちゃんなら話は別だ。食い気味にこう答えてやる。「The Smithsや!モリッシーや!」
スミスは私情が入りまくって、どうも冷静に考察しにくいバンドだ。それはひとえにヴォーカルのモリッシーの「イギリスのお前らw」的な見た目と歌詞の所為だ。
思春期の拗らせたオタクにモリッシーの書くリリックはトゥーマッチ過ぎた。
「これは俺の為の歌なんだ!」こう思い込ませる能力に関してはモリッシーはオタク専門と言えよう。
「This Charming Man」の明らかに同性愛を匂わすような歌詞。「Still ill」はニートが自己世界に閉じこもりだだをこねているし、「There Is A Light That Never Goes Out」では君の隣で死ねたらこれ以上の幸せわないとのたまう。
アンチマチズモかつネガティヴこれに極まりけり、である。
こんなオタクキラーな歌詞にあのマーの美麗なギタポ/ネオアコサウンドが乗っかるのである。パンク後の荒野に当時流行りだった、レゲエやスカのような混血児サウンドを目指さずに、ビートルズ以降のブリティッシュギタポの華麗なる復活!そりゃ売れないわけがない。
ナードは発売日には朝からレコード店に並んで、開店と同時にコミケばりにダッシュするだろう。
The Smithsは結局10年も活動してない、短命なバンドだ。
しかし、未だに世界中で愛されている。それは自分の中にある弱虫な気持ちや、マッチョな風潮に対する微かな違和感が、彼らのサウンドを求めているのかもしれない…。
極東の片田舎に住んでいた、「心に茨を持つ元少年」から未来の「心に茨を持つ少年」へこの記事を捧げます。
追記: まぁ、モリッシーさん背はデカいから絶対本気出せば喧嘩強い気はする…。
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