あなたは?(オウテカ『EP7』)
初めて聞いた時もこの記事を書くために何度も聴きなおした今も自分は変わらない。
よくわからない。でもダメじゃない。
この一言に尽きる。エイフェックス・ツインのようにスリリングでもない。アンダーワールドのように落ち着けない。一応聴きやすいナンバー(トラック#6と#11)もあるにはあるが、全体としては非常に無機質。
そもそもこのCDの外観がまずよくない。線と線が重なり合った図だけの、シンプルをこえて意味不明なジャケット。曲名はおろか曲数すらどこにも明記されていない。(中古で買ったので本当はあるのかもしれないが)。
このアルバムは数年前に東京に遊びにいったときに神保町のとある中古CDショップで見つけた。くるり(私が敬愛するバンドだ)が「図鑑」、「TEAM ROCK」をリリースするころにかけて岸田繁氏が聞いていた音楽の一つにこのアルバムは挙げられていたことが購入の理由だった。オウテカというアーティストはレディオヘッドにも影響を与えていると聞いていたことも大きかった。だが結局、現在自分の持っているアルバムで最も聞く機会が少ないアルバムとしてこれは堂々の1位だ。
ではどうして自分はこのアルバムが手放せないのか。これもまた冒頭の一言と同じになってしまうが、ダメでは決してないということだけはわかるからだ。余分な要素がとにかくそぎ落とされているのだ。単調なリズムやメロディでさえもこの作品には無用だと告げていると感じる。そして今回の記事を書くにあたって何度も聞いてわかったが、意外とバラエティのある作品だからだ。序盤はヒップホップ的なビートの曲から始まって、ドリルンベース、ハウス調の曲、ビートに様々な音が覆いかぶさって動き回る曲などがある。ただし作品中の音は単純な音ではなく、全てどこかひっかかりがあって不協和音でノイズのようですらある。だからノるにノれない。そしてそこがこの作品の魅力で最大の個性だ。
エレクトロニカという音楽を「踊れないテクノ」と説明した一言をどこかで見たことがあるが、これはその最たるものである(自分の知る限りでは)。決して初心者むけではない。「我こそは」という人が挑むと楽しめると思う。自分はまだ「オウテカのEP7に挑戦してる俺すごくない?」という子供の領域を脱出できていない。
あなたは?
(文:ジュン)
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