冴えないロックスターの育て方

「冴えない彼女の育て方」というアニメが面白い。
原作のライトノベルも全て集めてしまったし、アニメも一期・二期ともに二周してしまった…とにかくヒロインである加藤恵が可愛いすぎて、僕はメロメロになっている。
ここまで読んで「おいおい!ここは音楽サイトだぜ!アニオタの感想ブログじゃないんだぜ!」と憤ってらっしゃる皆様。もっともである。だが、この作品なかなかにエモい!萌える!燃える!というロック三原則(今考えた)に則った作品なのだ。なので、ここで極力音楽と話を絡めながら、勝手に紹介するぜ!異論は認めないぜ!

まず、この「冴えない彼女の育て方」通称「冴えカノ」のざっくりしたストーリーを紹介したいと思う。
主人公の安芸倫也はオタク高校生。アニメ、ゲーム、漫画の知識にはかなりの自信があり、いつかは自分も消費者からクリエイターにステップアップを果たしたいと考えている。そんなある日、自宅に向かうまでの坂道でとても美しい少女に出会う。その出会いに感激した倫也はその少女をヒロインに同人ギャルゲーを作ることを決意するのだが、その少女が同じクラスメイトの加藤恵だと気がつき…。
学校の先輩で現役作家の霞ヶ丘詩羽。幼馴染で人気同人作家の澤村・スペンサー・英梨々。従兄弟でガールズバンドのギタリストである氷堂美智留。後輩で、新進の同人作家である波島出海。といった個性的なメンバーを巻き込んで、同人ギャルゲー作りは進んでいくというのがストーリーのおおまかな内容である。

この作品の素晴らしいところはキャラクターの個性とストーリーの絡み合いが絶妙なところだ。キャラクターの性格を丁寧に表現しているので、ストーリーの進行の際に破綻した行動をとることがない。多少、「おいおい、こんなに簡単に女ってのは惚れるもんかよ⁉︎イメクラじゃねえんだぞ⁉︎」って思わないでもないのだが、そこはご愛嬌として、キャラクターがたくさん出るとどうしてもストーリー崩壊を起こしがちなこの手のラノベの中ではかなり優れた作品である。

「冴えカノ」でメインヒロインを務める加藤恵というキャラクターは、とにかくナチュラル。自然体なのだ。決して過剰な感情表現や装飾した自分を誇示したりはしない。が、故に、本当に自分の気持ちを伝えたいと感じた時の彼女はとてもエモーショナルだ。まるで、Mineralのこの曲のように美しく、感情に溢れている…
読者はそんな加藤に強く感情移入する。普段はやる気があるのか思い入れがあるのかもわからない人間が、本当は誰よりも熱く、強い思いを持つことがわかった時ほど、人は心を動かされることはない。物語のターニングポイントで大事な気持ちを話すのは必ず彼女だ。これは作者が「冴えない彼女」とは「ヒロイン」とは誰のことか明確に示していることに他ならない。

話は変わるが先日、Jimmy Eat Worldが久々に単独来日を果たした。良い意味で変わらない、素晴らしいエモライブをファンの前で披露したとのこと(ライブに行けなかったからね…感想ブログからの察する文しか書けなくしてごめんなさい…)。
僕は彼らの曲で一番好きなのはダントツで「Lucky Denver Mint」だ。
ラウドロックとヒップホップの狂騒の中でこんなにピュアで心を打つグッドミュージックがキッズの胸に届いたことが何よりも奇跡だった。
僕は「冴えカノ」を観る時に脳内でJimmy Eat Worldのこの曲がずっと流れる。思春期の複雑な感情。恋愛と愛憎。でも、時が過ぎたら笑いあって許せるような特別な時間。ロックにしろゲームにしろ、みんなで青春時代に一緒に作り上げた作品は特別だ。
そんな特別な日々を「これは僕の私の気持ちと一緒」だと思わせてパッケージした作品が「冴えない彼女の育て方」でありJimmy Eat Worldのライブだったと思うのだ。

ここまで、読んだらあなたも「冴えカノ」が気になったことだろう。え?別に気にならない?じゃあ、もう一回最初から読み直して欲しい。BGMには「Lucky Denver Mint」を添えて…

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